このページは、ITコーディネータ資格についてお問い合わせいただいた内容をもとに記載しています。
ITコーディネータは、企業や公的機関、自治体などの情報技術化(IT化)をサポートする専門的なアドバイザーです。
企業の経営戦略(公的機関や自治体の場合は事業戦略や行政運営戦略など)に沿って、IT戦略やIT利活用といった一連かつ一貫したIT投資のサポートに尽力するのがITコーディネータの大きな特徴です。
ITコーディネータは、事業者とITシステム供給事業者の双方にとって、有益かつ実効性のある事業者の競争力を高めるITシステムを提案します。 それゆえ、単にITシステムを提案するのではなく、まず企業の現状を把握し、今後のあるべき姿を明確にした上で、そのあるべき姿に到達するために必要なITシステムを提案していくという流れをとるのが一般的な方法です。
具体的には、「IT経営成熟度診断ツール」などを使用して、その企業の診断を行っていきます。この診断にはITに関する項目はもちろんのこと、経営そのものに関する項目や経営者の考えについてヒアリングする項目もあります。
例えば「経営の見える化」「情報を共有して業務効率向上」「生産部材在庫の適正管理」といっても言葉では易しく、各現場作業で管理する項目はバラバラで多種多様な判断をされていますから一筋縄ではいかない。経営課題の解消に向けて、ひとつひとつ解きほぐしながら、実効性のあるITシステムの形を描いていきます。
このようにITコーディネータは、経営全般から見た最適なITは何かという切り口でアドバイスします。
ITコーディネータは、経済産業省が推進する資格で、2001年に通商産業省(現・経済産業省)によって設けられた民間資格です。資格取得者は約14000名、資格保有者(維持している者)は約7000名です。
ITコーディネータは技術の開発や導入を最終的な目的とせず、経営者の視点に立って企業経営の未来のためにIT投資に関する的確な支援をおこなうことを使命としています。
ITコーディネータは、大企業や官公庁、地方自治体といった大組織のほか、中堅企業や中小企業といった中小規模の会社組織でも活躍しています。業種も多種多様で、製造業や小売業、サービス業、病院、学校、農業法人などなど、ITの活用が経営を改善しうるあらゆる分野でその能力が求められています。ITコーディネータの多くは企業に所属し、IT部門で自社の経営に貢献していますが、独立して中小企業のIT化を支援している人も少なくありません。
いわゆる「IT革命」「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」がもたらした社会の変化は、ビジネスの世界にもっとも大きな影響を及ぼしました。現在はあらゆる業種でIT化なくして経営の発展が成し得ないほどになっています。
しかし、経営とITの双方に精通した人材は不足しているのが現状です。ITコーディネータの需要はきわめて高く、特に外部の専門家に頼りたい中小企業から大きな期待を寄せられています。独立開業も含めて、ITコーディネータは将来性のある資格です。また、企業によっては、社員にこの資格の取得を奨励していたり、昇給や昇進の判断材料にしているケースもあります。
経営とITの両面からのアプローチが求められるので、すでにどちらか一方に関わっている人であれば、比較的、容易に取得できるでしょう。
たとえば経営者や経営指導者、公認会計士、税理士、中小企業診断士、あるいはIT技術者やITコンサルタント、ITシステム供給事業者の営業職の人などです。また、ITコーディネータは、ITパスポート試験などIT系の資格を取得していて、さらなるスキルアップを目指す人にも最適な目標となります。
ノウハウの蓄積と更新が重要なので、常に新しい経営およびITの知識を追い求めることができる探究心おうせいな人に向いています。
ITコーディネータ資格は経済産業省の推進資格です。
毎年資格更新が義務付けられていて、常に最新の質の良いサービスを提供することでITコーディネータの信頼性の高さを証明しています。
ITコーディネータは、
このように広い視野と企業の経営課題に応えるために、経営とシステムの両面から企業を支えるための知識が必要な資格です。
ゆえに、ITコーディネータ資格を取得するということは、真に経営に役立つIT利活用に向け、経営者の立場に立ったアドバイスと支援を行い、IT経営を実現する人材ですよ、といった認証(certification)を受けるということになります。
ITコーディネータの資格認定・更新は、特定非営利活動法人ITコーディネータ協会がおこなっています。
当社は、この認定に必要な「ケース研修」の実施機関として協会に登録しており、インストラクターは協会の会員です。
ITコーディネータ資格の独自性
ITコーディネータは、一般的なIT関連資格とは一線を画する存在です。多くのIT関連資格が技術的なスキルや知識を評価するのに対して、ITコーディネータは情報化を推進する経営的観点が主体となっています。
IT技術者からの進化: 経営的な道へ
純粋な技術者としての道を歩むのではなく、経営の側面を理解し、そのブリッジ役として活躍することが、ITコーディネータの存在意義です。技術だけでなく、経営戦略との接点も持つことが、この資格の特色となっています。
経営戦略とITの接点: 企業の現状と課題
従来のIT技術者はシステムの構築や運用に特化していましたが、現代のビジネス環境では、経営戦略との連携が不可欠となってきています。ITコーディネータはこのギャップを埋める存在として、企業の真の課題解決に貢献します。
ITコーディネータの真の価値
ITコーディネータの真の価値は、技術的なスキルだけでなく、経営的な視点をもってITの可能性を引き出すことにあります。この資格は、技術と経営の双方の知識を有することの重要性を象徴しており、その独自性が高く評価されています。
具体的なITの専門知識
社会保険労務士の主要業務に関連するITツールやシステムの知識が必要です。
例えば、給与計算システムや人事情報管理システムの知識など。
実際のITツールやシステムの使用経験
単なる理論的知識だけでなく、実際の操作経験や導入・運用の経験が必要です。
顧問先への具体的な提案やアドバイスが行いやすくなります。
ITのセキュリティやデータ管理に関する知識
労働者の個人情報や給与データなど、機密性の高いデータを扱うシステムに関しては、データの漏洩や不正アクセスを防ぐためのセキュリティ対策の知識が必要です。
コミュニケーションスキル
ITの知識を持つだけでなく、それを顧問先や関連する他のステークホルダーにわかりやすく伝えることができる能力も重要です。
これらの条件を満たすことで、社会保険労務士としての基本的な業務とITコーディネータの資格を有効に組み合わせて、顧問先への付加価値を高めることが可能と思います。資格認定ケース研修では、ITの知識を顧問先や関連する他のステークホルダーにわかりやすく伝えることができる能力を磨くことができます。
ITコーディネータ資格を有する者のみが、特定の業務を行えるといった法令の定めはありません。つまり、ITコーディネータ資格は業務独占資格ではないのです。
ITコーディネータの多くは、経営系、IT系の専門知見、専門資格を持った人材です。そして、各地域のコミュニティやITコーディネータによるネットワークを通じ、企業の課題に対し幅広い専門性を持ったサポートを行っています。
ITコーディネータのスキルやノウハウを活かすシーンは・・・・
≫情報処理サービス業の営業職の皆さま
≫すべての企業の経営企画職、システム企画職の皆さま
≫公共団体のシステム企画職の皆さま
≫経営コンサルタントして独立を検討されている皆さまへ
【 ITC試験の合格 】と【 ケース研修の修了 】の両方が必要です。
ITコーディネータ試験では、IT経営推進プロセスガイドラインの理解を前提とした事例を問う内容が出題されます。
(1)以下のガイドラインを理解します
IT経営推進プロセスガイドライン Ver.3.1
[point]
(2)サンプル問題や想定問題集を解いて試験問題への対応力を高めます。
≫ ITコーディネータ協会 サンプル問題 20190910 版 (pdf)
≫ ITコーディネータ協会 サンプル問題 20200313 版 (pdf)
(3)試験対策のみならず ITコーディネータのスキルを高めます。
(4) ITコーディネータ試験の合格率は60%~70%
100点満点中およそ60点が合格ラインです。
(1) ITコーディネータ資格を取得するための費用
そのほか、必要に応じて、参考書や研修などの費用がかかります。
(2) ITコーディネータ資格を維持するための費用
資格更新
フォローアップ研修
その他
資格更新のために必要な実践力ポイントを取得するために、自主勉強会、セミナーなどへの参加やITコーディネータ活動が必要です。
グループ演習では、仮想企業を題材にした演習を通じて「経営にITを活かす」の各シーンを模擬体験します。
各シーンは、
変革のための企業体質の確立と変革への気づき |
変革に向けての課題の抽出 |
本質的な課題の理解 |
解決策の検討と策定 |
課題解決策候補と目指すべき経営ビジョンの決定 |
変革構想書の作成と変革の表明 |
企業理念・使命および経営者の思いの確認 |
外部経営環境および内部経営環境の情報収集 |
外部経営ミクロ環境情報収集 |
外部経営マクロ環境情報収集 |
内部経営環境情報収集 |
経営環境分析の実施 |
経営課題の導出 |
CSF(案)の導出 |
経営ビジョン(案)とビジネスモデル(案)の構築 |
経営リスクの特定 |
経営リスクの分析と評価 |
経営リスクの対応案 |
経営リスク顕在化時の対応案 |
経営ビジョン、ビジネスモデル、CSFの最終決定 |
経営戦略目標の決定 |
KPIの定義 |
経営戦略実行の組織体制の設定 |
経営戦略企画書の作成 |
中期の経営計画への展開 |
中期経営計画の再確認 |
中期経営計画書の作成 |
現状業務プロセスの分析 |
IT領域環境分析 |
目標業務プロセスの決定 |
目標IT環境の策定 |
基本方針、達成評価指標、目標値 |
IT環境構築の基本方針 |
目標ITサービスレベルの設定 |
IT戦略企画書の作成 |
調達評価基準書の作成 |
RFPの作成 |
RFPの発行と調達先の選定、契約 |
IT導入マネジメント |
SLMの実施 |
IT戦略の達成度評価 |
経営戦略達成度評価 |
SLMの実施 |
IT戦略の達成度評価 |
経営戦略達成度評価 |
変革マネジメント体制の構築 |
変革の実行状況の把握と是正 |