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IT経営推進プロセスガイドラインとは

 IT経営推進プロセスガイドラインは、企業が経営環境の変化を洞察し、戦略に基づいたITの利活用による経営変革によって、企業の健全で持続的な成長を導く「IT経営」を実現する際の「実行基準(進め方)」と「判断基準(基本原則)」を示したものである。企業の業種・業態、規模、IT経営の成熟度を問わず、企業以外の多様な団体、教育機関、医療機関、行政機関等あらゆる組織に適用可能なガイドラインとなっている。 

 


私たちを取り巻く環境

 経営の重要な道具であるITは、技術革新により予想をはるかに超えたスピードで進展している。

 従来の個別開発型のシステム構築から、モバイルやクラウド型システムの利活用、インターネットへの多様な機器をつなぎ情報を利活用するIoT(Internet of things)等、利活用形態も大きく変化してきている。経営も、グローバルな市場の中で、ITを利活用した新しいビジネスモデルが次々と誕生してきており、大企業であるから、歴史があるから安泰であるといった考え方はもはや通用しない。想像もしなかった新たな企業の参入、市場での立場の逆転があらゆるところで起きている。 

IT利活用は経営者の使命のひとつ

 現在、経営者は、一般化して身近になったITを、経営の重要な道具として使いこなし、成果をあげられるかが問われている。ITの利活用効果の予測、組織のIT利活用に対する成熟度の向上、全社を挙げたイノベーションや業務改革に取り組むオープンな組織づくりなど、IT経営実現のためにリーダーシップを発揮しなければならない。

 

 このために経営者は、国内外の環境変化に敏感になり、自らがビジョンを示し事業への思いをステイクホルダーと共有し、掛け声だけでなく、目標を定め戦略に基づいた経営の変革に取り組む必要がある。  

経営視点からIT利活用を考える

 世界的に見ても、ビジネスアナリシス、プロジェクトマネジメント、ITサービスマネジメントなどの知識体系における分析・評価の考え方は、ITの視点からではなく経営の視点から評価する方向に変わっている。 

IT経営推進プロセスガイドラインは「知識体系」に加えて「実践の進め方」を備える

  IT経営推進プロセスガイドラインは、知識体系に相当する「判断基準(基本原則)」だけでなく、実践における「実行基準(進め方)」を示しているという特徴を備えている。