社内のシステム化を考えるとき、ITコーディネータからは、実際のところどのようなアドバイスを受けられるのでしょうか。
ITコーディネータは、事業者とITシステム供給事業者との間に入り、その事業者にとって経営戦略的に考えたうえでの必要なITシステムは何かという視点でアドバイスをしてくれます。
ITコーディネータは、ITと経営双方の知識とノウハウをもっている専門家なのです。
さて、もともと、事業者とITシステム供給事業者との間には「認識のズレ」が見受けられることがあります。
※事業者
- ITに関する知識に乏しい。
- 自社にどのようなシステムが必要であるかを自ら考えることが難しい。
※ITシステム供給事業者
- ITに関する知識が豊富である。
- 経営的な知識やノウハウが不足していることがある。
その結果、この認識のズレに起因して、過大なシステムの開発や、的外れなシステムを導入してしまうことが起こり得ます。
ITコーディネータは、事業者とITシステム供給事業者の双方にとって、有益かつ実効性のある事業者の競争力を高めるITシステムを提案してくれます。
それゆえ、ITシステムの単純に提案をするのではなく、まず企業の現状を把握し、今後のあるべき姿を考え、そこに到達するために必要なITシステムを提案していくという流れをとるのが一般的な方法です。
具体的には、「IT経営成熟度診断ツール」などを使用して、その企業の診断を行っていきます。この診断にはITに関する項目はもちろんのこと、経営そのものに関する項目や経営者の考えについてヒアリングする項目もあります。
例えば「経営の見える化」「情報を共有して業務効率向上」「生産部材在庫の適正管理」といっても言葉では易し、現場作業では管理する項目はバラバラで多種多様な判断をされていますから一筋縄ではいかない。経営課題の解消に向けて、ひとつひとつ解きほぐしながら、実効性のあるITシステムを形を描いていきます。
このようにITコーディネータは、経営全般から見た最適なITは何かという切り口でアドバイスをしてくれます。
ITシステムを導入しなければならないのは分かっているけど、どこに相談したらよいか分からないという経営者の方は、ぜひ一度ITコーディネータのお話しを聞いてみてはいかがでしょうか。
ITコーディネータは、前述のような事業会社のほか、自治体、商工団体においても活躍されています。
NPO法人 ITコーディネータ協会 では、事業会社とITコーディネータのマッチングをおこなっています。
ITコーディネータがもっている知識やノウハウを身につけるには、ケース研修 がお勧めです。